原子力発電所の解体等で発生したコンクリート廃棄物には中性子放射化により
41Caが含まれる場合があり,廃棄物の埋設処分にあたっては安全評価上
41Caが重要核種になるかどうか評価・確認が必要である。この
41Caを含む廃棄物について,低エネルギー光子用Geスペクトロメータを用いて放射能濃度を決定する方法について検討した。本検討にあたり
41Caの標準線源は製造されていないことから,
55Fe放射能標準溶液を用いて
55Fe標準試料を作成し,両核種のX線減弱係数の違いによる各種の補正を行って
41Caに対する効率を求める方法を用いた。本法による放射能濃度の検出下限は,1000~80000秒の測定時間でクリアランスレベル(
41Ca:100Bq/g)のほぼ1/5~1/60が確認できたことから,加速器質量分析器など高価な装置を用いる方法に比べ,簡便かつ低コストのコンクリート廃棄物の
41Ca分析方法としての実用性が証明された。
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