ダイズにおける
15O標識水と
18F標識水の吸水動態をPETIS (Positron Emitting Tracer Imaging System) 法を用いて比較検討した。
15O標識水 (半減期: 2分) はサイクロトロンを用いて
14N (d, n)
15O反応により, また,
18F標識水 (半減期: 110分) は
16O (α, pn)
18F反応により調製した。標識水の供給は, 根を切り落としたダイズの茎の下部から行い, 植物中の標識水から放出されるγ線をBGO検出器 (5cm×15cm) を用いてリアルタイム計測を行った。15秒ごとの計測の積算値からダイズの各茎における20分間の吸水動態を調べたところ、
18F標識水の方が
15O標識水より早く吸収されることがわかり,
18F標識水ではフッ素は
18F
-イオンとなり, バルクの水とは異なる動態を示すことが示された。吸収された
15O標識水のBAS像を撮ったところ, 10分間の吸収後においても初葉よりも上部に150標識水の分布は見られなかった。
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