相模湾で採取した表層海水を用い, これに
60Co,
106Ru,
65Znなどを投入し, 二酸化マンガン, 鉄水酸化物, 鉄-マグネシウム水酸化物および鉄-マンガン水酸化物による捕集を試みた (水酸化物はいずれも90~100℃で乾燥してある) 。鉄水酸化物は
60Coの捕集率が低く, また, 鉄-マグネシウム水酸化物, 鉄-マンガン水酸化物は
60Co,
106Ru,
65Znの捕集率は高いが, いずれも水溶液中で微粒子になり, 口過性が悪い。したがって, 全体的にみた場合, 捕集剤としては市販粒状α二酸化マンガンが実用性がある。海水50m
lに対し, 50~100メッシュのもの0.2gと1時間振とうすればよく, 捕集率が低い場合には加温により高めることができるということがわかった。また, 脱離実験でpH7~8では脱離されにくいという結果がでたことから, 海水中の放射性核種捕集の場合, 未処理の海水をそのまま使えばよいという結論に達した。
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