周期律第II族元素である
115mCd,
65Znおよび
85Srの各化合物を吉田肉腫皮下移植ラットに静注して, その体内分布を経時的に追跡した。
115mCd-chlorideと
115mCd-citrateは肝臓への親和性が非常に強く, ついで膵臓, 腎臓へもかなりの親和性を示した。
115mCd-EDTAは排泄が速く, 肝臓, 腎臓への親和性は弱くなった。
65Zn-chlorideは肝臓に親和性が強く, ついで膵臓, 腎臓の順であり,
115mCdおよび
65Znはがん親和性は弱かった。
85Sr-chloride,
85Sr-citrateおよび
85Sr-EDTAは腫瘍, 肝臓, 腎臓, 膵臓, 脾臓, 肺臓, 副腎の7種類の臓器組織において
115mCdおよび
65Znより消失が速やかであり, そして血液, 筋肉, 胸腺を加えた10種類の臓器組織中腫瘍への残存率が最も大きかった。
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