岩石試料中のヨウ素を短寿命核種
128Iを用いる中性子放射化分析法で分析する方法について, 放射性トレーサ
131Iを用いて詳細に検討した。比較標準試料作成時において, ヨウ素標準溶液が充分アルカリ性でない場合や, 長時間乾燥した場合には, ヨウ素が容易に揮散することがわかった。また試料融解時, 試料を濃アルカリ溶液で浸したのち乾固し, ついで融解すればヨウ素の揮散は認められなかった。照射に熱外中性子を用いることにより, 分析操作を簡略化できると同時に, 分析感度を向上させることも可能となることがわかった。ここで示す分析操作法は, 岩石試料中の極微量ヨウ素の定量法としては, ほとんど唯一の方法として機能するものと期待される。
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