99Moの娘核種である
99mTcは,がんをはじめとする疾病の画像診断に欠かせない重要な放射性同位元素であるが,我が国は
99mTc製剤の原料である
99Moの全量を海外からの輸入に依存している。特に,世界の全生産量の約14%を消費している我が国にとっては,
99Moの国産化による安定供給の確保は喫緊の課題と考えられる。しかしながら,
99Moの国産を実用化するための確立した技術がない状況にある。このため,日本原子力研究開発機構では,改修中の材料試験研究炉JMTRを用いた国産化技術として,中性子放射化法((n,γ)法)による
99Moの製造法に着目し,産学の協力の下,その技術的検討と課題の摘出を行った。
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