RADIOISOTOPES
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61 巻, 8 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
ノート
  • 斎藤 正明, 今泉 洋
    2012 年 61 巻 8 号 p. 407-410
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/28
    ジャーナル オープンアクセス
    固体高分子電解では水素イオンの移動に伴って随伴水が陽極から陰極に輸送される。従来のトリチウム濃縮装置は陽極,陰極間で絶えず水が混合する通水孔を有していた。この通水孔を塞ぎ,陽極だけに試料水を入れ電解すると陽極は濃度変化せず,陰極のみで濃縮水が得られた。本研究では,陽極水が分解し尽くした後に電動ポンプの働きで,陰極に貯留した随伴水を強制的に陽極に還流させるシステムを製作した。この動作は濃縮水量が27gに到達するまで自動的に繰り返され,従来法の濃縮水量54gの半減化及び初期水量600gの例で従来法の濃縮倍率7.0から10.3へと良好な濃縮効果を達成できた。
技術報告
総説
  • 佐々木 慎一
    2012 年 61 巻 8 号 p. 415-427
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/28
    ジャーナル オープンアクセス
    放射線の発見以来,気体中で荷電粒子により1イオン対を生成するために必要とされる平均エネルギーであるW値の実験的決定は多くの研究者によって為されてきた。このような実験から,多くの気体で確立されたWが得られるようになり,電子や陽子に対してWはほとんど一定値をとることが知られるようになった。しかしながら,いくつかの気体では未だに確立された値がないし,またエネルギー依存性を示すと考えられる重荷電粒子に対するWのデータは極めて少ない現状である。Wに関わるいくつかの重要な性質,例えば粒子の原子番号Zに対する依存性や気体圧力に対する依存性等,は十分に明らかにはなっていない。本稿では,W値の現状について概略し,測定における問題点について議論する。
  • 大山 幸夫, 石原 正博, 河村 弘
    2012 年 61 巻 8 号 p. 429-438
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/28
    ジャーナル オープンアクセス
    99Moの娘核種である99mTcは,がんをはじめとする疾病の画像診断に欠かせない重要な放射性同位元素であるが,我が国は99mTc製剤の原料である99Moの全量を海外からの輸入に依存している。特に,世界の全生産量の約14%を消費している我が国にとっては,99Moの国産化による安定供給の確保は喫緊の課題と考えられる。しかしながら,99Moの国産を実用化するための確立した技術がない状況にある。このため,日本原子力研究開発機構では,改修中の材料試験研究炉JMTRを用いた国産化技術として,中性子放射化法((n,γ)法)による99Moの製造法に着目し,産学の協力の下,その技術的検討と課題の摘出を行った。
  • 永津 弘太郎, 田上 恵子, 藤林 靖久
    2012 年 61 巻 8 号 p. 439-447
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/28
    ジャーナル オープンアクセス
    医療用小型加速器は99mTcの直接製造に適用可能であり,また99Moは中型加速器にて製造できる。筆者らは,代替製法の一つとして提唱されている荷電粒子の100Moへの照射により,これら核種の遠隔自動的な製造法を開発した。
    加速器製法は,小規模生産に優れた手法と考えられ,比較的簡便な操作で製造を行うことが可能である。国内のPET施設等で稼動する既存加速器を有効利用することで,十分量の99mTcを製造できる可能性があると考えられた。
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