肝硬変症に高率に合併するpigment stoneの形成要因として, 胆嚢収縮動態がいかに関与しているかを調ベる目的で
99mTc-EHIDA肝胆道シンチグラフィを用いて正常者, 胆道系疾患および各種慢性疾患, 計100例の胆嚢収縮能について検討した。胆石症および肝硬変症の平均胆嚢収縮率は, 正常者に比較し有意に低値を示した。 (胆石症: 56.3±21.3%, 肝硬変症胆石合併群: 50.8±29.6%, 肝硬変症胆石非合併群: 55.9±26.7%, 正常群: 74.4±12.9%,
p<0.01) また肝硬変症では, とくに非代償期において胆石の有無にかかわらず, 胆嚢収縮能の低下を示す例を高率に認め, この収縮能の低下に伴う胆嚢内胆汁の停滞が, 胆石形成におけるーつの要因である可能性が示唆された。
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