FDG-PETによる肺腫瘍診断の成績について後ろ向きアンケート調査を行い, 15のPET施設から合計600例を集計した。鑑別診断の成績は, sensitivity 81.1% specificity 63.5% accuracy 78.9%で従来の単独施設の成績より低めであった。ステージ診断ではPETが従来の画像診断に優るもの21.3%, 同等73.8%, 劣るもの4.9%で, 95.1%で同等またはそれ以上と評価され良好な成績であった (sensitivity, specificity, accuracyともに88.3%) 。これをもとにPETによる肺癌診断の医療経済効果を検討した。肺癌と診断された患者のステージ診断に全身PETを行い, 手術適応を決定すると, 従来の画像診断による場合と比べて患者一人あたり約4万3千円の節約となり, 一年間日本全体では約15億円 (全肺癌診断・手術医療費の1.9%) の節約が期待できる。
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