イプリフラボン (TC-80) のラットにおける代謝をガスクロマトグラフ-質量分析法により検討し, 未変化体のほか, 代謝物として7-ヒドロキシ-3-フェニル-4
H-1-ベンゾピラン-4-オン, 7-ヒドロキシ-3- (4-ヒドキシフェニル) -4
H-1-ベンゾピラン-4-オン, 3- (4-ヒドキシフェニル) -7-イソプロポキシ-4
H-1-ベンゾピラン-4-オン, 2- (3-フェニル-4-オキソ-4
H-1-ベンゾピラン-7-イル) オキシプピオン酸, 2-〔3- (4-ヒドキシフェニル) -4-オキソ-4
H-1-ベンゾピラン-7-イル〕オキシプピオン酸および2-〔3- (3-ヒドキシフェニル) -4-オキソ-4
H-1-ベンゾピラン-7-イル〕オキシプロピオン酸を同定した。これらの代謝物から, TC-80が主として酸化によって代謝されることが示された。ラットの組織切片を用いた
in vitroの実験により, 上記の代謝反応が肝臓において行われることも明らかにされた。さらに, この化合物はラットの腸内細菌によっては代謝変換をうけないことも分かった。
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