RADIOISOTOPES
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60 巻, 11 号
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原著
  • 高 立〓, 狩野 直樹, 東平 吉正, 西村 孔一, 伊藤 亮, 今泉 洋
    2011 年 60 巻 11 号 p. 443-459
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/29
    ジャーナル オープンアクセス
    農耕地における希土類元素(REEs),トリウム(Th),ウラン(U)等の金属元素の動態や分布状態を把握するため,農耕土壌中の金属元素を,連続抽出法により水溶態F1,交換態F2,無機結合態F3,有機物結合態F4,遊離酸化物吸蔵態F5,残留態F6の六つのフラクションに分別し,総量とともに分別定量を行った。土壌試料は,山形県酒田市豊里(2005~2010年),山形県村山市楯岡(2008~2010年),新潟県岩船郡関川村上野(2007~2010年)の3か所における水田,畑及び各周辺の非耕作地で採取した。
    その結果,主として以下のことが明らかになった。(1) 土壌中の金属元素の六つのフラクション間の分配割合は,元素によっても,また土壌の利用形態(すなわち,水田,畑,非耕作地)によっても異なる。希土類元素間においても,重希土(HREE)は,軽希土(LREE)や中希土(MREE)に比べてF5の割合が概して大きいという傾向が見られた。(2) 土壌における希土類元素濃度(あるいは希土類パターン)は,採取地点間で差異が見られた。これは,鉄―マンガン酸化物や有機炭素量(遊離酸化物や有機物との親和性)等の土壌の性質に関連すると考えられる。(3) 土壌における金属元素の分配割合は,総濃度と同様に,採取時期(春か秋)による大きな変動は見られなかった。
  • 川瀬 雅也, 山川 純次, 大嶋 珠世子, 黒葛 真行, 森本 正太郎, 斎藤 直
    2011 年 60 巻 11 号 p. 461-465
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/29
    ジャーナル オープンアクセス
    岡山県新見市大佐山より採取した緑レン石中の鉄の状態解析をMössbauer分光法により行った。用いた試料の化学組成はEPMA分析の結果,Ca2.2(Al2.4,Fe0.4)2.8Si3.0O12.0(OH),であった。単結晶X線構造解析の結果,用いた試料は典型的な緑レン石の構造(P21/m)をとることを確認した。Mössbauerスペクトルから,本試料中で鉄には3種類の状態が存在し,2種類はFe3+に近く,もう1種類はFe2+に近いことがわかった。Fe3+及びFe2+の占有位置の詳細については現時点では不明である。この結果は,八面体サイト中の鉄の占有サイトがM3及び詳細の不明なM3'の2種類あることを示唆している。また,鉄がM1サイトに分配されていないことから,本研究で用いた試料を含む岩帯の生成温度は200℃程度であると推定された。
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