α-ケト酸のアンモニア水溶液にγ線を照射すると, 各α-ケト酸に対応するアミノ酸が生成する。すなわちピルビン酸からアラニン (
G=0.75) , フェニルピルビン酸からフェニルアラニン (
G=0.5) , インドールピルビン酸からトリプトファン (
G=0.45) , α-ケトイソバレリン酸からバリン (
G=0.85) , α-ケトイソカプロン酸からロイシン (
G=0.68) , が生成する。これらのアミノ酸の収量は照射線量および各α-ケト酸とアンモニア濃度に依存し, 照射線量率および照射温度の変化による影響は少ない。ラジカル捕捉剤の添加や低温照射による実験結果から反応機構としては, イオン, ラジカル両過程を含むα-ケト酸の還元的アミノ化が考えられる。
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