RADIOISOTOPES
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65 巻, 11 号
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ノート
技術報告
  • 横山 薫, 佐藤 克典, 山中 貴志, 石森 有
    2016 年 65 巻 11 号 p. 441-450
    発行日: 2016/11/15
    公開日: 2016/11/15
    ジャーナル オープンアクセス

    ウラン燃料を製造する加工メーカでは,測定によるU-235量や濃縮度の定量が重要になる。本研究では,U-235から放出された186 keVのγ線の測定から評価したU-235の含有量は,U-238の不均一な分布を定量化した遮蔽因子Xgeometryで補正できることを示す。Xgeometryは,Pa-234 mから放出される1001 keVのγ線と,1001 keVに由来する散乱γ線を用いて定量化した。Xgeometryは,もともとU-238の測定のために導入した。U-235はU-238と共存するので,この因子は,U-235の測定値に適用することも可能である。模擬充填物や線源をセットしたドラム缶を用いた試験で,U-235の含有量及び濃縮の定量誤差は遮蔽因子を考慮することで低減することを実証した。

総説
  • 三村 均
    2016 年 65 巻 11 号 p. 451-467
    発行日: 2016/11/15
    公開日: 2016/11/15
    ジャーナル オープンアクセス

    福島第一原子力発電所事故では,炉心冷却のために数百トン/日の注水が続けられ,Csなどの放射性物質を高濃度(~106 Bq/cm3)で含む汚染水が短期間で大量に発生し,保管場所の確保も困難な状態となっている。放射能高汚染水は,主に放射性セシウムを含む海水系汚染水であり,極めて大量で高放射能の汚染水の対策は過去に例がないことである。事故の収束に向けた道筋のステップ1において,放射性セシウムを除染する水処理設備が設置され,冷却水として再利用する循環注水冷却システムが稼動している。本システムでは,Cs吸着剤としてゼオライト,CST(結晶性シリコチタネート),不溶性フェロシアン化物が使用されている。今後長期間にわたりシステムの運転を継続する必要があり,高機能性吸着剤の開発,除染の効率化,高度化が緊急の課題とされている。ここでは,CsとSrの選択的吸着剤の吸着特性及び安定固化法及び安全性評価に関わる課題について紹介する。

連載講座
中性子散乱による原子・分子のダイナミクスの観測
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