重症熱傷患児の肝, 腎中の銀, セリウムを中性子放射化法により分析した。患児は硝酸セリウム/シルバーサルファダイアジンクリームと硝酸セリウム溶液による局所療法を続けていた。腹部膨満のために3か月でこれらの使用を中止したが, その後1か月で死亡した。被検試料, ブランク試料, 標準試料を立教大学TRIGA MARK II炉で中性子照射し, 1か月後, γ線スペクトロメトリを行った。銀は肝, 腎ともに大量に検出され, とくに肝ではHamiltonらの健常人の値の約1, 600倍もの高値を示した。セリウムは肝で微量検出された。ブランク試料からは銀, セリウムいずれの元素も検出されなかった。
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