自然放置による溶存
85Krの散逸除去実験を試み, 溶存
85Krの脱離効果に及ぼす溶媒の物性の影響, ならびにサンプラ中の液柱高の影響を調べた。溶媒としては, アルコール類, ケトン類, カルボン酸類,
n-パラフィン類, クロロメタン類, 芳香族の各有機溶媒の他に, 水を採りあげた。
その結果, 脱離効果の指標として溶存
85Kr濃度の低下の半減期を採ると, 半減期はサンプラ中の液柱高に比例し, 溶媒中におけるKrガスの拡散係数に反比例した。同一系列下の有機溶媒については, 半減期は溶媒構成原子の炭素数の増加に伴って長くなった。実用的には, 未知の溶媒に対する溶存
85Krの脱離効果は, 半減期と炭素数との関係から推定できることを確かめた。本方法は低レべルの溶存
85Krを長時間かけて除去するのに有効な手段となることが明らかとなった。
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