ラットを用いて絶食時の飼育温度が甲状腺ホルモンの代謝, 動態にどのような影響を及ぼすか検討した。その結果, 23℃, 5日間の絶食では, 血清サイロキシン (T
4) , 3, 5, 3'-トリヨードサイロニン (T
3) , free T
4およびreverse T
3 (rT
3) 値は対照群に比して有意の低下を示した。絶食群間でT
4, free T
4およびrT3値を比較してみると, free T
4値は低温になるほど増加傾向を示したのに反して, T
4値は, 23℃, 18℃, 15℃絶食群間では有意差を認めなかった。また, rT
3値は寒冷になるほど増加傾向を示した。30℃絶食群ではいずれの甲状腺ホルモンも対照群に比して著明な低下を示した。これらの実験結果より, 絶食時の甲状腺ホルモンの代謝は, 絶食時の気温により変動し得ることを示唆するものである。
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