Cohenらの開発した
99mTc-pyrophosphateが骨シンチグラフィ上どのような利点を持つかを知る目的で,
99mTc-pyrophosphateと
85Sr-chlorideを家兎に同時投与し, 経時的臓器分布, 長管骨内の集積, 骨盤における左右対称性, 骨シンチグラムの鮮鋭度などを比較検討した。両核種とも分布はほとんど同様であり, とくに骨親和性は大きく, 経時的に見ても骨集積に差は認められなかった。また, 両核種とも長管骨では, 骨端部の集積が著明であった。
99mTc-pyrophosphateの集積は左右対称的であり, 腰椎体1個1個を明瞭に分離描画できた。
99mTC-pyrophosphateは,
99mTcの物理的特性のために, 大量投与可能であり, 被曝線量が少なく, かつ短時間内で鮮明な骨シンチグラムを得ることができるので, 骨病変の描画に有用である。
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