木綿布の洗浄効率におよぼす糊料の影響について調べた.糊料として, 小麦澱粉, コーンスターチ, 可溶性澱粉, 白色デキストリン, 酢酸化澱粉, C.M.C, メチルセルローズ, 種々の重合度のP.V.A. (ポリビニルアルコール) およびP.V.A.―Ac. (不完全鹸化ポリビニルアルコール) を用いた.
糊付後, 日本油化学協会洗浄力試験委員会の方法に基いて汚染し, ついで標準洗たく法によって洗浄後, ベックマン分光光度計により, 反射率を測定した.
洗浄効率は糊料の種類と性質により, 非常に影響される.すなわちC.M.C.で糊付された場合に, 最高の洗浄効率を示し, しかもC.M.C.の濃度の増加に比例して, 効率も増加した.ついで可溶性澱粉がかなりよい効果を与えたが, 白色デキストリン, 小麦澱粉, コーンスターチ, P.V.A., P.V.A.―Ac.は洗浄効率に影響がなく, かえって高濃度を用いると, 効率が低下した.
これらの糊料が洗浄効率に及ぼす効果の機構について推論した.
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