運動パフォーマンスの向上及び障害予防を実現するタイツのデザインを目的とし,骨盤の前後面に加わる衣服圧分布による骨盤姿勢制御の可能性を検討した.骨盤周りの衣服圧分布からの骨盤前傾モーメントの数値化方法を提案し,算出した値Mと三次元動作解析装置にて測定した骨盤前傾角度θpelとの関係を検討した.静止立位及び歩行時において,両者の間には正の相関関係が認められた(相関係数r=0.67, 0.56).骨盤前傾モーメントの算出方法の妥当性が示されたと共に,タイツの衣服圧による骨盤姿勢への効果は静的条件下のみでなく,動作時にも維持されることが示唆された.