ビジネスソックスの消臭性は重要な訴求項目の一つである.本研究では,ウール混率の異なる3 種のビジネスソックスを用いてフィールド実験を実施し,その消臭性・抗菌性を明かにすることを目的とした.ニオイセンサによる臭気強さの測定,官能評価,着用48 時間後の生菌コロニー数の測定を行った.被験者は30~60 歳代の男性7 人とし,夏季に実施した.その結果,ウール混率58%および76%の靴下において,ポリエステル靴下に比べてニオイセンサによる客観評価およびパネルによる主観評価の双方で有意な消臭性が認められた.また,ポリエステル靴下に比べ,ウール混靴下でコロニー数が有意に少なかったが,本研究におけるウール混率の範囲内では両者の相違は認められなかった.また,ニオイセンサ指示値と官能評価・コロニー数との相関関係は有意であり,消臭性および抗菌性の評価の推定に用いることができる簡便な方法であることが示唆された.キーワード:靴下,ビジネスソックス,ウール混,フィールド実験,消臭,抗菌