綿, エステル, エステル/綿混紡織物のペーパー起毛加工における起毛効果を布の力学的特性により総合的に評価する方法を主成分分析を利用して解析し, 以下の結果を得た.
(1) 綿スパン織物での起毛効果は, 圧縮特性を除いた特性 (引裂強さ, 重量, 表面粗さ, 表面摩擦係数, 剛軟度, せん断特性, 曲げ特性) と圧縮特性 (圧縮曲線の線型性, 圧縮仕事量, 圧縮レジリエンス, 厚さ) の2成分により大体評価できることが判明した.
(2) エステル・エステル/綿混紡織物の起毛効果は, 次の3成分により総合的に評価できると思われる.
(1) 引裂強さ・表面粗さ, 表面摩擦係数, 重量, 剛軟度, せん断特性, 曲げ特性 (たて方向)
(2) 圧縮特性 (圧縮曲線の直線性, 圧縮仕事量, 圧縮レジリエンス, 厚さ)
(3) 曲げ特性 (よこ方向) , 表面粗さ (F-B)
(3) ペーパー起毛と洗い加工の相乗作用は, ソフトでかさ高性の風合をうむ.
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