現代社会において,国内アパレル市場はコモディティ化現象が起きている.コモディティ化とは,市場投入時には高付加価値の製品やサービスと認識されていたものが,市場が成熟化した結果,競合他社が大量に参入し,ユーザーにとって機能や品質などで差がなくなってしまうことである.そのコモディティ化された国内アパレル市場において,有効な差別化戦略の一つになる可能性が高いアスレジャー戦略と市場顕在化の必要性について,研究と考察を報告する.
漢民族の伝統的服装である漢服の変遷の検討から,ヒトがいかに衣服を発展させてきたかを考究することを目的とした.漢服の衣服形態の変化と気候,生活様式を調査し,春秋戦国時代(G1),西漢時代(G2),唐代(G3)の衣服形態を選択,その再現を試みた.遺跡出土品,正倉院所蔵品調査によるパターンを用い,当時の身長から現代中国のA 体型における各部位寸法を算出,現代日本の9AR 体型に合わせて修正,再現試料を製作した.結果,漢服は十字型の構造は変わらないものの,技術の進歩,意識の変化で,布幅は広く,丈が短く,裾が広くなり,「礼」への厳しい要求から実用性,機能性重視へと変化してきたことが明らかになった.温熱的快適性について,サーマルマネキンによる計測値と各試料の重量算出値でclo 値の検討を行ったところ,各時代のアンサンブルの熱抵抗は0.87~1.57clo の範囲にあり,新しい時代のものほど,重量算出値よりマネキン計測値が大で,効率的に保温されている様子が示された.