通気性の異なる3種のスリーブレスワンピースの局所別熱抵抗を, サーマル・マネキンを用いて測定し, 着衣内を流れる熱気流の挙動を, ウエストの間隙を種々変化させて考察した.また, 新しく分割式サーモインテグレータを試作し, 間隙を設けた被覆状態で, 上下端を開放, 密閉, 一方のみ密閉した時の熱気流移動に基づくインテグレータ表面の温度分布を測定し, ワンピース着衣の場合をモデル的に解析した.
同一形態の衣服でも, 着衣内熱気流は間隙の有無及び布の通気度の大小によって挙動を異にすると同時に, 表面温と気温との温度勾配によっても異なる.また, 一般に立位静止の場合, 下肢から頸部へ抜ける気流の煙突効果は起りにくく, 開口部を工夫する必要があるが, 胸部の布目を通して移動する気流の役割は大きい.そのとき下半身の熱遮断効果は低下し, 上半身の気流排出口付近の温度が上昇する傾向がある.
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