若い女性が, インテリアの色について, どのような嗜好分布を示すかを, 部屋別用途別に明らかにするため, 絵画統覚的な方法で調査した.
(1) どの品目も, 嗜好は少数の色に集中し, 嗜好色の分布曲線は左にかたよったL型曲線を描いた.
(2) 似た効用をもつインテリアでも, 使う部屋によって嗜好色の色相分布は異なり, 有意差が確かめられた.
(3) 特定の部屋のなかのインテリア品目相互の間に, 色相の相関性の認められるものが少なくないことが認められた.
(4) 特定の品目の嗜好色のトーン別分布は, 部屋が異なっても, 相似ていることが認められた.
本報の方法による調査を, 異なった時点, 地区, 対象についてさらに進め, データを集積するとともに, 本要旨の第2, 3, 4項の事象を生じた機構の解明を第2報以降において試みることにしたい.
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