繊維製品の色彩変動評価において非接触型光学センサーを用いる場合に課題となる,照明光源の光学条件について検討を行った.多方向光源としてドーム型照明を作成し,あわせて,単方向型光源として一方向照明(片側傾斜入射),二方向照明(両側傾斜入射)を用い,これら3 種の照明条件下で任意の織構造と色彩の生地について非接触測色し,その結果を比較した. ドーム型照明を用いた全面拡散入射条件の場合,試料上の測色位置並びに,試料の織構造及び照明光源の入射方向に左右されにくい,安定した測色結果が得られることが明らかとなった.さらには,測色XYZ 値からCIELAB L*a*b* 値に変換する際の基準白を各測色位置に対応し補正することで,測色位置に起因する測色値のばらつきが大幅に低減されることが明らかとなった. これらより,非接触型光学センサーを用い繊維生地の色彩評価をする場合,照明光源を多方向からの全面拡散入射とし,測定位置に対応した基準白補正をすることが至適であると示唆された.