発汗量を人間一衣服一環境系の各因子を用いて予測することを目的として, 生理学および家政学分野における国内外の研究論文から発汗に関する成人男女644例のデータを収集し, 回帰分析を行った.その結果, 次式の発汗量予測式が導かれた.
log (
SR) =0.290×
MR-2.226/1.518+0.144×
T-31.006/6.797+0.424
ここで,
SR; 発汗量 (10
-6g/cm
2・sec) ,
MR; 代謝量 (MET) ,
T; 温度 (℃) である.計算値と実測値との相関係数
R=0.793 (
n=422) , 推定標準誤差
SE=0.205である.また, 式の誘導に用いなかった92例のデータで上式の適合性を検定したが,
R=0.841,
SE=0.209であった.発汗量の個人差が大きいことを考慮すると, 上式である程度の発汗量の予測が可能であることが確められた.なお, P
4SRは高温に馴化してない本研究で収集されたデータについては計算値と実測値との一致度は良くなかった.
抄録全体を表示