国内外から広範に収集した布の表面に起伏をもつ婦人服地について, 布の表面特性の新しい計測方法を適用して布の風合いの客観的評価を行い, 一方, 主観評価を実施してその精度について検討した.その結果, これらの布はいずれも, 布の厚さ, 表面特性
MIU,
SMDが大きいが,
MMDは表面のフラットな婦人服地とほぼ同程度の値で, 表面タッチに大きな差異のないことが示唆された.婦人服地のシルエットを3分類した場合についてテーラード, ハリタイプの布は, フラットな布と起伏のある布の重量, せん断特性に差異は認あられないため, 曲面形成能に大きな差異はないこと, ドレープタイプの布では布重量, 曲げ剛性はやや大きいが, ドレープ形成能に差異のないことなどが示唆された.官能評価は基本風合い値 (
HV) において評価者間に高い相関が認められ, 紳士スーツ地の
HV変換式は婦人服地のテーラードタイプの布への適合性は高く, 客観評価の妥当性を確認した.
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