モデル人工汚染布は通常湿式法により作製されるが, この浸漬法による汚染布では, 布上での粒子よごれの付着状態は分散媒の種類, 汚染浴の組成, 繊維の性質などにより影響をうける.
本研究は固体粒子としてフェリックオキシネートを使用し, 木綿布とポリエステル布について, 汚染法のことなる汚染布を作製し, 反射率と粒子付着量の関係から布上での粒子の大きさ, 集合状態について検討した.
油脂が存在しない場合, 一定の反射率における粒子付着量は木綿布では布上での粒子の大きさの順序と一致するのに対して, ポリエステル布では一致しない.汚染浴による繊維のぬれと粒子の集合状態について考察した.
また, Kubelka-Munk式により反射率からもとめた見かけの粒子付着量と定量によりもとめた粒子付着量の関係から, 一定量の粒子の付着による反射率の低下は布の光散乱力が大きいほど小さくなることが認められた.
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