前報では, 収集した迷彩柄の特徴を対称性から評価する方法について議論した.その結果, 迷彩柄は対称性の良い柄と悪い柄に分離することができ, 柄の細かさは多様であることがわかった.
本報では, 迷彩柄と同じく規則性のないランダムな柄を収集するのではなく生成する方法について検討した.ランダム柄は一様乱数に逆菅野積分フィルタを適用し生成した.適用回数を変化させ, 13種のランダム柄を生成した.また柄の対称性と細かさについて, 幾何学柄を基準に, 収集した迷彩柄と比較しながら評価した.
フィルタリング回数の少ないランダム柄は, 反転対称性ならびに回転対称性の両対称性において, 幾何学柄, 迷彩柄と比較して高い総合評価値が得られた.
フィルタリング回数の増加に伴い, 柄は粗くなった.しかし最も粗いランダム柄でも, 幾何学柄, 迷彩柄の中では細かい柄であった.より粗い柄を生成するには, フィルタリング回数を指数的に増加させる必要があることが示唆された.
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