半衿が和服着装の個々のイメージにどのような影響をおよぼしているかをみるために因子分析, 分散分析 (交互作用) および数量化分析を行い検討した.
その結果, つぎのような結論をえた.
和服着装のイメージは, さわやかさ, 目立ちの因子においては和服の色相より色調の影響が, 動きの因子においては色調より色相の影響が大であった.さらに, 半衿との交互作用は色相より色調において多く認められた.また, 半衿の影響が強く表れていたのは, さわやかさの項目であった.カテゴリー別にみれば, 半衿なしに比して, 半衿ありの方が全体的に負荷が高く, とくに, さわやかさの因子ではその効果が著しかった.以上により, 白い半衿の存在は, 服装美として全体から受ける総合的な評価を高め
4) , 着装のイメージアップに大いに関与しているものと考えられた.しかし, 〈肌色がきれい〉のみ半衿なしの方が負荷が高く, しかも, 半衿と色相, 半衿と色調の交互作用が認められたことは, 大変興味深いので, 今後の課題として, 和服の色と半衿の有無が肌色に与える影響について詳細に究明したい.
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