婦人用長靴下の耐用性に関係する種々の特性を選定し, それらについて物性実験と着用による官能検査および着用, 洗たくによる外観の変化の3方面から耐用性を検討する実験を行い考察した.
試料は消費者によく利用されているもので, 編み方, 加工方法の異なる4種類のシームレス長靴下で, サイズ, 色ともに同一の同じメーカから販売されているものを選んだ.その結果として
1.物性実験, 着用実験の両結果をとおして, 全試料のラン抵抗, 抗スナッグ性が悪く, 機械的な耐久性の良否が問題となる.
2.着用による官能検査の結果から, 着用, あるいは洗たくを繰り返しても, 靴下の初期の着用感が維持されている特性は“色”, “光沢”, “接触温感”, “しなやかさ”, “フィット性”, “伸縮性”などであり, “すべりやすさ”, “しわ, たるみ”, “吸湿性”などは維持されにくい特性である.
3.加工方法, 編み組織を変えることによりラン防止処理を行った2試料については, ラン防止のみには効果があるが, 他の特性に対して悪い影響を与えている.
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