家庭用ドラ式洗濯機について, 起泡性の異なる洗剤を新水流式洗濯機の標準使用濃度 (浴量基準) で用い, 浴量, 浴比, 時間を変えて洗浄を行い, 洗浄のために消費された機械エネルギーを電力消費量より推定し, 機械エネルギーと洗浄率及び布のほつれとの関係等を検討し, 新水流式洗濯機と比較した.
ドラム式洗濯機は, 布に加えられる機械エネルギーに及ぼす浴量と洗液の起泡性の影響が, パルセーター式洗濯機と異なる.浴量は, 洗浄系に加えられる機械エネルギーに直接関係し, 低浴量では布をドラム上部に持ち上げる距離が大きく, 洗浄系に加えられる機械エネルギーは大きく, 高浴量ではその逆となる.洗液の起泡性は, 洗浄系に加えられた機械エネルギーの洗濯布への伝達効率に関係し, 洗液の泡はドラム上部より落下した際に洗濯布へ付加される機械エネルギーを低減する作用がある.洗浄率とほつれ (対数) の間には, 本実験条件の範囲では, 洗液の起泡性, 浴量, 浴比, 時間によらず一つの直線関係が認められ, 新水流式洗濯機も同じ直線上にあることから, 両洗濯機は, 基本的には洗浄メカニズムが同じと考えられる.
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