本研究の目的は,繊維・アパレル産業の国内企業間取引ネットワークにおけるハブ企業のネットワーク形成と情報通信技術の導入との関連性を示すことである.ハブ企業に着目した繊維・アパレル産業の国内企業間取引ネットワークのデータは,総合アパレル部門200 社程度の取引先企業名データの2005 年度から2010 年度分に基づいて分析された.結果として,固有ベクトル中心性の時系列変化によって,総合商社B が2006 年以降ハブ企業になったという中心化が見出された.この上で,総合商社B によってサプライチェーンマネジメントシステムが導入され始めた2006 年度の変化点は,固有ベクトル中心性の時系列変化に対応した.これらの結果から,サプライチェーンマネジメントシステムの導入に伴う,国内企業間取引ネットワーク形成における中心化であるハブ形成が生じた可能性を示せた.