脂肪酸石けん (ラウリン酸ナトリウム) 水溶液中での各種織物に対する粒子汚れを, SDSと比較して, ポテンシャル全エネルギー (
VT) により検討した.
石けん水溶液中では, 酸化鉄 (III) , あるいはカーボンブラック粒子と織物との間の
VTの最大値 (
VT,
max) は, SDS水溶液中の場合に比べて, すべて高い値となり, 汚染防止効果が大であった.四三酸化鉄粒子による場合も, 汚染は同様な傾向を示した.
しかし, 極性化したカーボンブラックの場合は, 石けん, あるいはSDS水溶液中における
VT,
maxの値は小さく, 織物に対する強い汚染がみられた.
これらの結果は, 粒子と繊維および界面活性剤の3者間の相互作用にもとついて, 粒子・繊維間のポテンシャル障壁の大きさが変わり, それが織物に対する粒子汚れに大きく影響していることを示すものである.
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