布の紫外線透過に及ぼす因子の中, 布の織密度と, 一部, 糸の撚りの影響を検討し, 以下の結論を得た.
1) 織密度が高い程, また, 糸の撚り数が少ない程, 紫外線透過率は低下した.2) 織密度が高い程, また, 糸の撚り数が少ない程, 見掛の吸光係数, 散乱係数は共に上昇した.その際, 前者に比べて後者の変化が大きかった.3) 単位面積当りの織密度より求めた糸1本当りの見掛の吸光係数, 散乱係数は, 織密度が高い程, 減少した.4) 布を圧縮すると, 厚さ方向の糸がずれて経方向または緯方向に向うと仮定し, 単位面積当りの織密度を求めた.それを用いて求めた糸1本当りの見掛の吸光係数, 散乱係数は, 厚さの異なる試料間で普遍性があり, これによって異なった試料の紫外線透過の比較が可能となった.
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