肌着材料の水分に対する性能は, 肌着の着心地に直接影響をおよぼすほかに, 被服の衛生的機能や被服整理の面からも重要である.
木綿とポリアクリル繊維の混紡比を変化させ, 同一条件のもとで製編したメリヤス肌着材料を試料とし, 実際着用時の条件に近い測定条件のもとでの肌着材料と液相水分および気相水分との関係を明らかにしようとした.一方, 実際に着用実験を行ない, 材料試験結果とあわせて考察した.
その結果, 吸湿特性, 吸水特性と木綿の混紡比との間には直線関係が認められたが, 定常状態における透湿性, 放湿速度, 乾燥速度等には試料間に有意差はみられなかった.
着用実験による吸湿性, 透湿性は被験者による個人差が著しいが, 混紡比を異にする試料間の吸湿性, 透湿性は材料試験結果と全く同一の傾向が認められた.
抄録全体を表示