家庭洗濯における粉石けんの効果的な使用方法を明確化することを目的とし, 洗浄・すすぎ行程における綿・ポリエステルへの石けんの付着挙動を検討した.
1) 綿とポリエステルをそれぞれ単独及び共存下で洗浄・すすぎを行った場合, 石けん付着量は綿では大差ないが, ポリエステルでは共存系の方が単独系に比べ多くなる.これは, 共存系では洗浄時に綿に付着したナトリウム石けんが, すすぎ時に金属石けんとなり, ポリエステルに再付着することによって起きる現象である.
2) 同一硬度の場合, ナトリウム石けん濃度が高くなると, 金属石けんの付着量は減少する.これは, 洗浄液中のナトリウム石けんによる金属石けん分散能が一因している.
これらの結果をもとに, 家庭洗濯における金属石けん付着の防止条件を考察した.
抄録全体を表示