風合いの研究には種々の立場があるが, 木研究では製品開発の設計指針として役立てるため, ニットのサマーセーターについて, 消費者に好まれる編地の風合い一要因を分析した.
すなわち用途別にどのような風合い要因のサマーセ一ターが好まれるか.また各種風合い要因がどのような重みで好みを支配するか, などの問題を洋裁学校の生徒120名を調査対象として検討した.風合い要因としては官能的要因をとりあげた.理論的手法には林の数量化理論第II類を用いた.
分析の結果, 一般用途では編地風Ifいには好き, きらいの区別はほとんどあらわれないが, 訪問用には比較的はつきりとあらわれる.訪問用として好まれる風合いは編地がうす地でかためてあり, 手触りはなめらかで外観, 編目に編地組織の変化が認められるなどのものである.風合い要因の重みは厚さ (1.37) , やわらかさ (1.34) , 手触りのなめらかさ (1.06) , 外観のなめらかさ (0.77) , 編目の変化 (0.40) などである.
なお好みのことなるパネルの背景要因の分析も試みたが, 明確な背景要因は抽出できなかった.
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