1968年度と1986年度の夏季における女子大学生着衣実態の服種と組合せおよび衣服保温力の比較を行い, 以下の結論を得た.
1内衣は, 着用枚数は少なく, 重量は軽く, 被覆面積は小さくなる傾向を示す.外衣は, 重量増加の傾向および材質の多様化が認められ, 内衣の役割を担っているのではないかと推察する.又, 身体の被覆部分の増加傾向が認められ, 冷房化率の上昇によるものではないかと推察する.
2衣服保温力は, 6, 7月においては, 冷房化率の上昇に伴って屋内低温環境に適応する必要から, 増加傾向が認められる.8月は6, 7月に比し屋内環境温熱条件の変化は小であり, 衣服保温力は低下を示すにもかかわらず, 寒暑感覚点数は増加しており, 耐暑能力は衰えを示すことが判明した.
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