設計条件 (素材や編み組織, 出来上がりパターン等) の異なる市販の成人女子用ハイソックスを用いて衣服圧の測定と官能評価を行い, これらの関係を検討し, 履き心地のよいハイソックスの設計条件を求めた.結果は次の通りである.
1) 被験者は, 動作時や動作後にずれや皺が生じた試料は履き心地が悪いと評価した.この試料は, 着用時の伸びに対する張力も小さく, 静立時の下腿部や足首の衣服圧も低く, また足首の動作域も小さい設計のものであった.
2) 動作時の衣服圧は, 特に足首の前後において大きく変化した.これらの部位の圧の変化は, 静立時での圧が高いものや, 足首の可動域の小さい設計のものほど大きかった.
3) ずれやたるみが少なく履き心地の良いハイソックスの設計条件として, 膝下まで十分に被覆する長さがあること, 足首の編み立てやパターンが可動域の大きいものであること, 静立時の衣服圧は下腿部で5~10mmHgが適当であることなどがあげられた.
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