布の3次元的ドレープに関係する要因は, 曲げ特性, せん断特性, 自重であると考えられるが, FRLドレープメータ法におけるドレープ係数については, その意味が判然とせず布の剛さの指標にすぎない.せん断特性は関係しないという指摘がある.
そこで, FRLドレープとドレープ係数に対して布のせん断特性が関係しないか, 関係するとすればどのように関係するかを調べるため, 25種の試料について曲げ特性, せん断抵抗, ドレープ係数を測定し, 3変数の重相関分析をし, ドレープ形状を比較した.その結果, 布のせん断特性は主として剛軟度に関係し, 剛軟度と自重とせん断抵抗とが総合的にドレープに関係すること, せん断抵抗性, 剛軟度の異方性がドレープ形状, ノード数に関係すること, すなわち根本的には布のせん断特性が3次元的ドレープの形状, ドレープ係数に関係することを確かめた.
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