カーペットの触感判定は織物のHandlingとは性質を異にするものと思われる.またその判定を足でするところから, 織物の「Handling」に対する「踏み心地」なる用語が定義される.この「踏み心地」の良さの知覚及びその評価に関しての基礎資料を得る目的で, 官能検査を試みた.なお検査では, 手による判定と足による判定の関連性及び視覚の与える影響を検討し, 官能量としての踏み心地と物理量との相関を調べてみた.さらに主観的表現用語群から代表用語を描出し, それらの言葉によるカーペットの評価法について検討し次の結果を得た.
1) 官能検査の結果, 試料間及び個人差が有意となった.
2) 視覚の触覚判定への影響は小さく, また手による判定と足による判定の相関はあまりみられなかった.
3) 9対の表現用語が描出され, それらの言葉によって, カーペットの表現が可能になった.
4) 踏み心地の良さは, 官能的には弾力性よりもやわらかさとの相関がみられた.また物理量との相関は余りみられず, 嗜好的要因として素材の影響が大きかった.
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