洗浄力を評価する場合, 白さという視感評価値を重視する計測評価値が, いくつか使われているが, それらが, 視感評価値とどの程度対応するかということを検証されたことがない.そこで, 本報では, 洗浄実験の対象となる標準人工汚れ試料を系統的に作製して, 計測評価値と視感評価値との対応性を比較検討した.
その結果, 以下のことが明らかになった.
1.クベルカ関数 (K/S値) から求あられる計測評価値は, 視感評価値とかなりかけ離れており, 視感評価値と対応した計測評価値と言えない.
2.表面反射率 (R値) から求められる計測評価値は, 表面反射率30%の汚染布では視感評価値との対応がよいが, 全体にみて視感評価値よりも甘くなる傾向にある.
3.新たに提案したN
D法は, 視感評価値よりも厳しい評価値となる傾向にある.しかし, N
D法は, 式中の逓増係数αとスケーリング係数ωとを適当に設定することによって視感評価値と良好に対応させることが可能である.
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