繊維織物の使用中における「うすよごれ」に関しては最近特に注目されるところで, それの防止についても各方面から研究がすすめられている.筆者らは洗浄の際における再汚染防止という見地から, この研究を行なった.
水, 石けん溶液, 並びに石けんに数種のビルダーを加えた溶液で各種の繊維織物を洗浄したところ, 水のみで洗浄した場合は, 木綿, ベンベルグ, ナイロン, テトロン, テビロンいずれも再汚染率が大きいが, 中でも合成繊維系が著しい.それらを0.05%の石けん液で洗浄した場合, 再汚染率は急激に低下する.更らに石けん液に0.05%のC.M.Cを添加した場合, 再汚染防止効果は一層顕著である.しかし硫酸ソーダ, 両性活性剤を添加した場合は添加剤の効果はあまり認あられない.非イオン活性剤はそれ自身優秀な再汚染防止剤である.
石けん濃度が0.2%以上になった場合繊維素系織物の再汚染率は徐々に上昇するが, 合成繊維系織物ではほとんど変らないことが認められた.
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