前報では衣類に付着する固体粒子汚れの洗浄過程が汚れの繊維基質からの離脱過程 (第1過程) と, 離脱された汚れの系外への運び出し過程 (第2過程) からなると提案した.本研究はその第2過程を明らかにすることを目的としている.泡沫洗浄における固体粒子汚れの運び出し作用は布からの再起泡により進行し, その指標として再起泡エネルギーを用いることが可能である.再起泡エネルギーは次式によって算出できる.
ΔE=AT(P
a+P
n)1n(1+P
n/P
a)-ATP
nここでAは泡沫生成速度, Tは洗浄時間, P
aは大気圧, P
nは泡沫内部圧, △Eは再起泡エネルギーを示す.
バルク洗液として0.3%のDBS水溶液を用い, 洗浄温度を30℃と一定にした場合, A, T, P
nのそれぞれの対数と洗浄率との間に直線関係が得られる.A, T, P
nの3要素から算出した再起泡エネルギーの対数と洗浄率との間にも一本の直線関係が得られる.
45℃, 60℃の洗浄温度においても30℃と同様に再起泡エネルギーと洗浄率との間に直線関係が得られる.また温度が上昇すると汚れの離脱作用, 運び出し作用ともに増大する.
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