本研究では,環境に配慮し,かつ表面に汚染防止性能を有した合成皮革の開発を目的に,ガラス転移温度(Tg)の異なるポリウレタン(PU)樹脂を合成し,これらを合成皮革の表面処理剤として使用することで,PU 樹脂の汚染防止性能とTg の関係を考察するとともに,使用時における物理的な耐久性能について検討を行った.その結果, 合成皮革表面における染色布に対する汚染防止性能は,表面処理剤に使用したPU 樹脂のTg に依存した傾向を示すことを確認した.また,合成皮革用表面処理剤として,実用性能も有することが確認できた.