ミシンで縫合した織物の縫目について, 縫糸が切断する場合の縫目の平均破壊強度
Fは次式のようにあらわすことができる.
F=
N・ {μ-
E (
Rm) ・σ}
ここで
N; ループ数 (
N-1; 縫目数) , μ; 縫糸のループ強度の母平均値, σ; ループ強度の標準偏差であり,
E (
Rm) は次式で与えられる.
E (
Rm) =2
n・
n∫
∞0 {∫
Rm0φ (
t)
dt}
n-1φ (
Rm)・
Rm・
dRmここで
n=
N/2であり, φは標準正規分布の確率密度関数である.
E (
Rm) の計算値は第1表に示されており, 縫目数が増えるほど1ループが破断時に負担する力は減少してゆく.理論値は実験値よりもいくぶん高い値を与えたが, 縫製における縫糸の損傷を考慮することにより縫目数 (
N-1) , 縫糸物性 (μ, σ) が縫目強度に与える影響について定量的によく説明できる.
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