繊維製品消費科学
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53 巻, 2 号
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時辞刻告
解説
シリーズ「縫製副資材・付属品・アクセサリー類」
シリーズ「消費者行動とマーケティング」
シリーズ「機能性素材の評価方法の最前線」
シリーズ「地域繊維産業」
解説
報文
  • 山田 巧, 田村 照子
    2012 年 53 巻 2 号 p. 126-133
    発行日: 2012/02/20
    公開日: 2017/05/30
    ジャーナル オープンアクセス

    暑熱環境における快適な衣服を設計する上で,環境温度変化に伴う局所発汗量及び局所蒸散量の変化を明らかにすることは重要である.本研究では環境温度28,31,34,37℃,湿度50%r.h.一定の環境下における局所発汗量,局所蒸散量及び全身体重減少量を計測し,それらの間の定量的関係を検討した.被験者は成人男子10名とし,トランクスのみの着用状態で30分間安静を保った.計測部位は前額,胸部,背部,前腕,大腿である.局所発汗量の計測には換気カプセル型装置,局所蒸散量の計測にはエバポリメーター,全身の体重減少量の計測には電子天秤を用いた.主たる結果は以下のとおりである.①局所発汗量は気温上昇とともに有意に上昇した.②局所発汗量と局所蒸散量の相対的分布は一致したが,気温上昇とともに両者の値は乖離し,局所蒸散量が著しく低値を示した.③局所発汗量から重み付け式より求めた全身発汗量と体重減少量の間には,不感蒸散域においては有意差が認められなかったが,気温上昇とともに全身発汗量は体重減少量より有意に高い値を示した.④局所蒸散量から重み付け式より求めた全身蒸散量と体重減少量の間には,不感蒸散域においては有意差が認められなかったが,気温上昇とともに全身蒸散量は体重減少量に対して有意に低い値を示した.⑤局所蒸散量より重み付け式により求めた全身蒸散量は局所熱伝達率を基にした補正を行うことで,体重減少量と近似することが示された.本研究により,環境温度によって局所発汗量と局所蒸散量には定量的に差異が生じること,また局所蒸散量から全身蒸散量を予測するには局所部位の曲率形状の要因による補正が必要であることが明らかとなった.

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