繊維製品消費科学
Online ISSN : 1884-6599
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ISSN-L : 0037-2072
51 巻, 3 号
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時辞刻告
解説
シリーズ「中国のモダン―チャイナドレスの物語」
シリーズ「洗濯と絵表示を考える」
シリーズ「近未来の生活と消費科学」
解説
交さ点
報文
  • 大矢 勝, 原 聡臣
    2010 年51 巻3 号 p. 231-237
    発行日: 2010/03/20
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    石けんとLASの生分解に関する誤情報として「石けんは1日で100%生分解されるがLASは1カ月たっても1/3程度が分解されないで残存する」との「石けん1日分解説」に着目して分析した.この説は石けんとLASの生分解性の差を極端に大きく示すことによってLASに有害な印象を与える不適切な情報である.生分解に関する記述の含まれる一般消費者向け書籍35冊を調査した結果,合成洗剤を否定するものが30冊であり,その中で「石けん1日分解説」に基づくものが16冊を占めた.その元情報はステアリン酸ナトリウムの生分解試験データで,石けんが生分解1日でTOC値がほぼゼロになるという研究データであった.筆者らが確認試験を行ったところ,ステアリン酸ナトリウムは生分解試験の過程で金属石けんに変化し,前処理でTOC試験用の試料から除かれるためTOC値がゼロになることを確認した.また,ステアリン酸ナトリウムの生分解率を酸素消費量から求めると,1週間で50%程度の生分解速度であることを確認した.よって,この誤情報の広がりは,一般書籍の著者がTOC値がゼロになることを示すデータを100%生分解されると誤解したことに原因があると考えられる.

資料
  • 鷲津 かの子, 石原 久代
    2010 年51 巻3 号 p. 238-245
    発行日: 2010/03/10
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    市販雑巾が多様化している中で,雑巾の廃棄に繋がる汚れの目立ち感に関与する色彩要因を検討するために,19色のタオル地で作ったテキスタイルチャートを100人の被験者に提示し,汚れが目立ちにくいと思うものから順位を付けさせた.次に,同じ布地で作ったパッチワーク状の雑巾40枚を家庭で1ヵ月間使用させ,使用後の雑巾で作成したテキスタイルチャートを見せ,実際に汚れが目立ちにくいものから順位を付けさせ,両結果を比較検討した.同時に,雑巾として望ましい色とその理由についても調査を行った.
    その結果,雑巾使用前と使用後の評価で得られた目立ち得点は高い相関を示し,布地の明度が高くなるほど汚れが目立ちやすい結果であった.しかし,汚れの目立ちにくい色で若干の相違がみられ,使用前ではグレー,黒,低明度の青であったのに対し,使用後ではグレー,黒,低明度の赤の順であった.
    市場調査から,販売されている雑巾は,高明度の色彩が多くみられた.しかし,雑巾として望ましい色の評価を行った結果,実際に汚れが付着した雑巾を見たことが影響し,評価に変化が表れた.そのため,商品を購入する際に嗜好色や布地そのものの色の清潔感を重視することは,雑巾の廃棄を早めることに繋がる可能性があるといえる.

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