今まで, 洗浄力の評価は, 白布の汚れ除去を中心に行われてきたが, 着色布の汚れに対しても評価する必要があることは明らかである.
これまで使われている洗浄効率では, 初期の汚れ程度が異なっていたり, 着色部に付着した汚れに対しては適用できない.そこで, 白布, 着色布を問わず, 視感評価に基づいた一般的な洗浄力の評価を求めるために, 染色堅牢度判定用グレースケールに相当するような洗浄力評価専用グレースケールを作製することを試みた.
α=1.5, ω=1.54の値を取るN
D値を基にグレースケールを作製すると, それは十分に視感評価と対応しており, そのグレースケールを対照基準として無彩色試料における洗浄力の評価を行うと, 視感評価が容易となり, また, グレースケール等級値に準じた評価値が得られた.しかし, 視感判定では, 個人によるばらつきは避けることができないので, 精度よく安定な評価を得るためには, 計測評価が必要である.よって, この洗浄力評価専用グレースケールの試作は, 種々の試料に用いることができる計測による洗浄力評価値を求めるための中間的ステップであると考えている.
抄録全体を表示