Glucosylated albunmin (GA) のRadioimmunoassay (RIA) を開発し, 基礎的, 臨床的検討を加えた.
Human albmin (HA) をglucose, NaCNBH
3とincubationして還元型glucosylated HA (RedGlc-HA) を合成し, これをモルモットに免疫して抗血清を得, nativeHAに対する抗体を除去してRedGlc-HAに対する抗血清とした.この抗血清は還元型glucosylated guinea plg albuminおよび, glucitollysine (GL) と反応し, nativc HA, 非還元型glucosylated HAとは交差反応せず, GLに強い特異性を有すると考えられた.次に被検血清よりアルブミンを分離し, NaBH
4で還元したものを検体とし, GLを標準物質として上記抗血清と
125I-RedGlc-HAの結合に対する阻害の程度よりRIA系を組み立て, GAを単位アルブミン量当たりのGL量として表わした.このRIAの精度, 再現性は良好であった.このRIAによるGA測定の結果, 糖尿病患者 (11=44) 健常者 (n=24) でそれぞれGA=730±273 (pmol/mg・alb), 381±72で両群間に有意差を認めた. (1) このGA値はaffinity chromatography法によるGA値ともよく相関した. (2) このGA値は同時点でのHbA
1, HbA
1c値とも相関があり, 同時点, 2週間前, 4週間前のいずれの空腹時血糖とも相関があったが, 2週間前のものが最も強い相関を示した.またインスリン治療後の経過ではHbA
1c値より速やかに下降し, 比較的短時間の血糖状態を確実に反映していると考えられた.
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